懐かしさ
本で素敵な言葉を見つけました。
「懐かしい未来」
うれしがって聞いてもらっても
「あっそう、」「それで、」みたいになって
あんまりいい反応をいただけないのですが。
何かを創作する人、クリエイターの作り出すものは
完全な無から作られることは少ないそうです。
過去の物、体験などをもとに新しい物が生み出される。
これが「懐かしい未来」だそうです。
「温故知新」と同義だと思いますが、「懐かしい未来」の方が素敵です。
懐かしさは、新しいことのアイデアやヒントの宝箱です。
今月は大好きな場所へ行きました。
銭湯「龍美湯(たつみゆ)」さん。
スーパー銭湯とは一線を画す、本当の銭湯です。
創業はいつからか存じ上げませんが、建物、内装の佇まいは
おそらく昭和初期から中期の良さが全て残されています。
正面の<牛乳石鹸>のロゴ入りのれんをくぐると
そこはもう昭和です。
幼い頃、父と行った銭湯の風景が広がります。
あの頃に戻れたようで悲しくなります。
浴場正面には、きれいな山の麓に湖の壁画。湖面にはボートが浮かんでいます。
子供湯、大人湯、泡湯、薬湯、電子マッサージ湯。
5つの湯をぐるぐる3回まわって湯上がりします。
入浴後は瓶ラムネをいただきました。
番台には、膝にお孫さんを抱えた女将さん。
「飲み方わかるかい?」と教えてくださいました。優しいお顔。
何かに迷ったり、新しいことを始めたいときに訪れる大好きな場所。
またお邪魔します。
のれんをくぐって外へ出ました。
ぽかぽかの体に春の夜風。
いい気持ち。