ちょうちょ(蝶)
梅雨の晴れ間に、セミの声が聞こえ始めました。
夏が近いです。虫たちが喜ぶ季節です。
夏はあちこちで、ちょうちょに出会えます。
ひらひらと舞うちょうちょは、かわいくてきれいです。
春の蝶は淡い色が多いのですが、これから出会う夏の蝶は、鮮やかでより美しい羽をもっています。
小学生の時、蝶に夢中になりました。
特に、瑠璃色や紫色の蝶が好きでした。
宝石で例えると、アメジストのような色の蝶です。
ルリシジミやコムラサキという、きれいで小さい蝶に愛着がありました。
蝶を捕まえて、標本を作りました。
桐という材質の標本箱に入れて、大切にしていました。
時間を忘れて眺めました。きれいでした。
ある夏、小学校高学年の時に気づきました。
標本を作るために、蝶の命を奪っていたことを。
馬鹿な子供の僕は気づくのが遅すぎました。
昆虫採集は、お勉強や体験のための『必要経験』として大切だと思います。賛成です。
でも、僕は間違ったことをしてしまったと思いました。
標本を作る道具は、その夏すべて捨ててしまいました。
ちょうちょへのお詫びの気持ちはずっと残りました。